セイント・フランシス【映画】

SAINT FRANCES
2019年 アメリカ
アレックス・トンプソン監督
ケリー・オサリヴァン、ラモーナ・エディス・ウィリアムズ、チャーリン、アルヴァレス、マックス・リプシッツ、リリー・モジェク、山田龍、ジム・トゥルー=フロスト、マリー・ベス・フィッシャー、フランシス・ギナン、レベッカ・スペンスほか

自分のひとりごとに驚かされることがある。
昨日も「それはウナコーワだよ」と誰にともなくつぶやいてギョッとした。
何らかの思考がめぐりめぐってウナコーワに到達したものと思われるが、どこをどうめぐったのか、まったく覚えていない。
大丈夫か、わたし?

さて、ウナコーワといえば表題の映画。

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ブリジット(オサリヴァン)は34歳。独身。恋人なし。大学の文学部を1年で中退して、いまはウエイトレスをしている。ある夏、レズビアンの夫婦に雇われて、フランシス(ウィリアムズ)という、おしゃまな女の子の世話をすることになるが……

長年お世話になったギンレイホールが11月27日で閉館になるので、見納めにいった2本立ての1本め。

観るまでは「これ絶対好みじゃない」と確信していたが、なんと、結構気に入ってしまった。
ものすごくドラマチックなことが起きるわけじゃないし、ものすごく魅力的な人が登場するわけじゃない。
そういう映画のつねとして語り口はちょっとくどめだが、それがさほど気にならなかった。

そう、月経、避妊、妊娠、中絶、不正出血といった話が繰り返されるあたりには、ちょっとしつこい印象もあった。
でも、いろいろあきらめちゃっているブリジットの醒めた態度のおかげで、さほどのウェット感はない。
ある意味、ちょっと科学的でさえあったかも。

いちばん興味深かったのは、そういう婦人科系のトラブルに対して、ブリジットが関係をもつふたりの男が対照的な反応を示すところ。
どちらの反応も正解じゃない(そもそも正解など存在しない)ところがリアルでいいし、なんなら中高生の性教育の教材にどうかと思うほどだった。

要は「自己否定はやめましょう」というありがちな話だが、そんなこんなでいつになく素直にうなずけてしまった。
最大のポイントは、たぶん、嘘臭さがないところ。
脚本を書いたケリー・オサリヴァン自身がブリジットを演じているのがいいのかもしれない。

で、本作の何がウナコーワなのかというと、良くも悪くも、ちょっとヒリヒリする感じがあるところ。

いや待て、ヒリヒリするのはウナコーワクールだよ……
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