ほんとうのピノッキオ【映画】

PINOCCHIO
2019年 イタリア/フランス/イギリス
マッテオ・ガローネ監督
ロベルト・ベニーニ、マリーヌ・ヴァクト、フェデリコ・エラピ、ロッコ・パパレオ、マッシモ・チェックリーニ、ジジ・プロイエッティほか

久しぶりで好物の甘栗を買ったら、プラスチック製の小さな道具がついてきた。
その名も「くりわり君」。
鬼皮に割れ目を入れるためのものだが、見るからにチャチで……

と軽くバカにしていたのだが、使ってみてびっくり!
爪でやるよりはるかにきれいに、ぱっくり割ることができた。

へっぽことはいえ爪が命のギタリストのハシクレである私にとって、長年、甘栗は悩みの種だった。
もちろん、きれいに皮を剥いたものも売られてはいるが、甘栗フリークにとってあれは似て非なるもの、ほんとうの甘栗ではない。

ありがとう、くりわり君。
世界じゅうの甘栗好きギタリストを代表して御礼申し上げます。

さて、”ほんとうの”といえば、TOHOシネマズ日本橋で観た表題の映画。

PINOCCHIO.jpg
(公式サイト)

貧しい木工職人のジェペット(ベニーニ)は、町にやってきた人形劇の一座のあやつり人形に刺激を受けて、丸太から人形をつくる。丹精込めて作られた人形はピノッキオ(エラピ)と名付けられ、やがて、喋ったり、歩いたりするようになる。ジェペットは彼を実の息子のようにかわいがり、学校に通わせようとするが……

文春オンラインのシネマチャートで中野翠さんがめずらしく星5つで絶賛していたので見てみることにしたのだが、なるほど、とても素敵な作品だった。
第93回アカデミー賞で衣装デザイン賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされただけあって、ピノッキオのメイクやクリーチャーたちの造形が見どころのひとつになっている。
もちろん、主人公ピノッキオのメイクは、ガン見せずにはいられない素晴らしさ(木の質感が見事に表現されている)だったが、私が一番心を奪われたのはカタツムリの美しさ。
ちょっとグロテスク……だけどかわいいマグロやコオロギも非常に気に入った。

タイトルの”ほんとうの”の部分は日本の配給会社がつけたものだが、そのセンスにもおおいに感心させられた。
おそらく、ディズニー的なピノキオにはあまり描かれないダークな部分を指しての”ほんとうの”なのだろうが、私がそれを感じたのは、ちゃんと(?)イタリア語をしゃべるところ。
たとえばキツネとネコ。
邪悪さはともかくとして、あの胡散臭さはイタリア語じゃないと醸せない気がする。
ほんとうのピノッキオを知ってしまったいまの私にとって、英語や日本語をしゃべるピノッキオなんて、鬼皮のないコンビニ甘栗みたいなものです。

というわけで、今日の写真はほんとうの甘栗 with くりわり君
IMG_1751.JPG
ピノッキオは亡母のイタリア旅行土産です

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